調査・研究・自然保護事業

ネコギギと自然学校の取り組み

大台町には【ネコギギ】という素敵な生き物が住んでいます。ネコギギは、天然記念物にも指定されている希少な生き物で、大杉谷自然学校ではネコギギや環境保全について取り組んでいるので、ご紹介いたします。


ネコギギについて

和名 ネコギギ
学名 Pseudobagrus ichikawai
分類 ナマズ目ギギ科
体長 標準は10cmほどで、最大15㎝ほどになる。
オスの方がメスより大きくなる。
日本産のギギ科のなかで最も小型で、体が短く、丸みがある。(かわいい)
分布域 三重県、愛知県、岐阜県に分布。
伊勢湾、三河湾へ流入する一部の河川にのみ生息。
指定状況 国の天然記念物(魚ではたったの4種類しか指定されていない!)
環境省:絶滅危惧ⅠB類(2020年)
三重県:絶滅危惧ⅠA類(2015年)
食べ物 カゲロウなどの水生昆虫やエビなどの甲殻類
繁殖期 6~7月ごろ

ネコギギの様子

綺麗な流水を好み、大きな石の隙間などを利用し生息している。
日中は石の隙間などに隠れ、夜になると食べ物等を探しに出てくる。
繁殖も石の隙間などで行う。

ネコギギ(幼魚)

ネコギギ(幼魚②)

ネコギギ(幼魚③)

ネコギギ(成魚)

ネコギギ(成魚②)

ネコギギ(老齢個体)

ネコギギ生息環境

ネコギギ生息環境②

ネコギギ生息環境③

ネコギギからのSOS(減少要因)

近年、様々な要因で数を減らしている。ネコギギだけでなく、ネコギギが暮らしていける環境も守っていく必要がある。

  • 河川流量の減少
  • 水質悪化
  • 巨石や浮石、ヨシなどからなる隠れ家となる隙間の減少、消失
  • 外来種との競合、被捕食
  • 病気の持ち込み
  • 人工物による移動の制限
  • 密漁

ネコギギを守るために

この目まぐるしい時代の流れの中で、かつて普通だったものがどんどん姿を消しています。それは人の営みの中で、仕方のない部分もあると思います。ただ、存続が危ぶまれるものの中にも、次世代に残し伝えていくべきものがあるはずです。例えば、地域の自然や風土によって培われてきた、文化や暮らし、生き物や情景。それらは、そこに住む人々が幾代にもわたり育んできた郷土の財産なのです。
何を残すかを一緒に考える時に、自然学校が大事にしている「伝えること」が重要だと考えています。知らなければ興味や愛着はわきません。知ってもらうことがネコギギを守る第一歩になると信じています。地域の方々をはじめとした多くの人の声が、その地域や郷土のかけがえのない財産を守る大きな力になります。そしてそれらを見守る目が多くなることで、訪れるたびに、楽しめる、落ち着ける、そんな素敵で多様な場所が残り続けるはずです。
大杉谷自然学校ではネコギギを守るために夜間潜水調査、普及啓発活動、環境配慮型工事の推進に取り組んでおります。

調査風景

みんなでできること

①イベントなどに参加して、生き物や自然についてもっと詳しくなろう
②周りの人にも、ネコギギの良さや保全活動が行われていることを伝えよう
③具体的にどこに住んでいるという情報、生息地が分かる文章や写真を、ネットにあげない、他人に言わない
④川で使った道具は、ちゃんと洗って乾かして、殺菌しよう

もっとネコギギを知ってほしくて

みなさんによりネコギギに興味・関心持ってほしいという思いで、日常でも楽しめるものをとTシャツや石膏の塗り絵を作りました。シャツは普段着としても可愛いデザインとなっております。塗り絵は色をつけて楽しんだ後はインテリアとして飾っていただけます。

これで少しでもネコギギを身近に感じてもらえれば嬉しいです。

Tシャツ(紺色:ポリエステル、茶色:木綿)
塗り絵レリーフ

活動を応援

ネコギギを共に応援してくださる仲間を募集しております。

賛助会員・寄付の募集