NPO法人大杉谷自然学校

新着情報

  • 2016/6/10
    アウトドアヨガin大杉谷「秋風とつながるヨガ」参加者募集
    【日時】10月29日(土)10:00~14:00
    【参加対象】18歳以上
    【参加費】3,800円(昼食代含む)昼食は全員で簡単に作ります
    【定員】10名
    【集合解散場所】大杉谷自然学校(現地集合・解散)
    詳細チラシはこちら(PDF)>>
  • 2016/4/15
    受賞のご報告
    NPO法人大杉谷自然学校が、平成28年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を頂きました。ありがとうございました。
    表彰式:H28年4月20日(於:新宿御苑)
    環境省HP
    被表彰者一覧<PDF>
  • 2015/9/14
    お試し移住者募集中!
    大杉谷で田舎暮らしを始めませんか?
    現在お試しで体験移住を頂けます。
    地域を知るための体験イベントもあります。
    詳しくはこちら>>大杉谷移住促進協議会


    >> 過去のWhatsNew一覧

とっておきの大杉谷のお話

Vol.39 ~正月飾り「ボク」を探して~

宮川村史の年中行事「正月」の項。「お飾り、ボク、しめ縄は昔から各家庭で年寄りが作った」とある。この記述に当たった時、二度見した。「ボク」? 「ボク」って何?

年の瀬、「ボク」探しの旅に出た。最初にお電話をしたお宅で幸運にも「正式なものではないが、ボクを飾っている」と聞き、喜び勇んで出かけた。宮川上流域には一般的な玄関脇のお飾りに、初めて見る藁細工が付けられていた。「3年ぐらい前までは、正式なものしとったけど、今は立てるのが大変やで、もうせんのやわ」「ボク」とは、漏斗状に編んだ藁飾りの名称である。「オジグイ」と呼ばれる3mもの長さの杉の木を玄関前に立て、お飾りと一緒に取り付けられる。「ボク」は「オジグイ」とセットとなり、正式な形となる。

2軒目の庭には、2mほどの「オジグイ」が立っていた。だが「ボク」はない。「ボク」を付けたのは、祖父の代までだったと70代の主が言う。3軒目の庭には、丸い平な石が置かれたままになっていた。「オジグイ」用の深い穴が埋まらないよう、石を置いて保護した跡だという。もう何年も「オジグイ」は立てていないと言う。石の下の穴は埋まっていた。

車に乗り込むと、どんどん宮川下流に向かって走らせた。大杉の隣の、その又隣の地区に来て、ようやく昔ながらの「オジグイ」と「ボク」に出合えた。「オジグイ」は優に3mを超え、高々と青空に突き抜けていた。思わず「おおー」っと見上げる。その光景は、非日常的であり、かつ神々しかった。

眼に見えない存在である神を祀る時、あるいは他界とつながろうとする時、高い構造物を作って道筋をつけ、回路をつなごうとするイメージは、世界中に普遍的に見られる表現だという。以前、博物館で見た話を思い出した。

下流に行けば行くほど、家は今様となり、玄関脇の飾りはなくなり、門松が散見する。昔から続く地域の飾りがなくなるのは、寂しく、味気ない。だが、味気ないからと言って残せるものでもない。

「ボク」には正月三が日の間、家長がその日一番の朝餉である雑煮やご飯を入れた。つまり御神饌(おみけ)を供える容器だった。「オジグイ」は地中深く80cmも刺さっている。家長という地位がなくなり、力仕事ができる若い世代がいなくなれば、実質的に「ボク」を祀る方法は失われる。

文化や風習は、変化する。大杉谷自然学校では、ささやかながら伝統文化の保存と継承に取り組んでいる。地域性を残そうとする行為に、どんな意味があるのか明確な答は、まだない。だが、残そうとする行為自体には面白さや、多大な学びが潜んでいる。

多分来たる年も、努力は続く。やがて明確な答えが、やってくる日を待ちながら。

執筆:大西かおり

過去のとっておき話

ボランティア募集

ボランティア募集中のイベント:

大杉谷自然学校ブログ