熊野古道

【伊勢から熊野へ190㎞巡礼旅】3-4日目(栃原➡大内山)

【伊勢から熊野へ190㎞巡礼旅】3日目がやってきました。大台町栃原駅を出発して、大紀町の滝原駅までの約17㎞。

まずJR栃原駅でご案内いただくのは、「大台町ふるさと案内人の会」の筒井敏先生。熊野古道伊勢路の整備・促進に尽力され、大台町内の歴史や文化にも精通されています。

栃原駅の近くにある岡島屋旅館。江戸時代に創業された巡礼宿です。昔ながらの雰囲気を残して、歴史を感じていただけます。

馬鹿曲がり:深い谷間に沿って大きく曲がらざるを得なかった、昔からの難所です。老朽化により崩落した「馬鹿曲がり橋」は、令和3年度に復元されました。橋脚を支える石垣は当時のまま残されており、今もなおその役割を果たし続けています。

庚申・津島天皇・皇大神宮、山の神が集まる神様のアパート。異なる宗派の神様が一つの場所に祀られるのは珍しい😲

猿木坂。朝から雪が降っていたため、眼鏡橋から残雪が見えます。めったに見えない景色です。

三瀬の渡しで宮川を渡ります。ここで登場するのは、二人目のガイド、「三瀬の渡し保存会」の前納俊郎先生です。「三瀬の渡し」は、江戸時代から熊野古道を行き交う旅人や地元住民にとって欠かせない交通手段でした。この貴重な文化を絶やさぬよう、地域住民を中心に結成された「三瀬の渡し保存会」が復活・維持運営に尽力しています。

吹雪の中でのご案内、本当にお疲れ様でした。

続いては、3人目のガイド、三瀬坂峠保存会の出口真市先生です。

出口先生は大紀町在住の神領民(伊勢神宮外宮または内宮に、先祖代々仕えてきた家系の人)であり、日頃から三瀬坂峠の整備に尽力されています。また、滝原地区の歴史や文化にも精通されています。急な登り坂やつづら折りの道に圧倒されながらも、皆で力を合わせて乗り越え、無事にゴールである皇大神宮(内宮)別宮・原宮に到着しました。

この日は雪の中を歩く厳しい道のりでしたが、地元ガイドの皆さんから貴重なお話を伺い、昔の巡礼旅の大変さや魅力を肌で感じることができました。

4日目は滝原駅から大内山へ目指して出発しました。この日は大人気な金子修先生がガイドしてくれます。

旧街道の風情が残った村落を通りぬくけます。

勝瀬巡礼供養碑。見知らぬ旅人のために供養碑を建てた地域の方の優しさが感じられます。

街道から国道へ合流して少し歩くと阿曽の地に入ります。

阿曾観音堂:ご本尊は十一面観世音菩薩が祀られています。境内には供養碑、観音石仏、庚申塔が置かれてあります。六十六部の法華経を納めに諸国行脚するお坊さんや西国・四国・秩父・坂東188カ所の札所を巡った旅人が同じ地を訪ねたことが分かります。

新宮まであと118km!

宝蔵寺:立派な石垣の上に建つ曹洞宗のお寺。写真のお堂には弘法大師像とともに、鉈彫り地蔵があります。

大皇神社:山里の集落に鎮座する神社。お祀りしている文徳天皇の第一皇子惟喬親王がこの地の住民に刳りものを教え、その技術を生業とする木地師がこの地域たくさんいました。境内には「右 いせ」と書いた道標があります。もしかして大皇神社にも街道がとおっていたのではないか。

最後は大内山のソフトクリームで二日連続歩いた疲れを癒しました😋

2週目も皆様のおかげで無事に終えることができ、心より感謝申し上げます。残りの巡礼旅も楽しんで頑張りたいと思います。

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